【関東鉄道】神栖市コミュニティバス本格運行

 茨城県神栖市が、令和2年10月1日から社会実験として開始した神栖市コミュニティバス「系統3・鹿島神宮駅~小見川駅」と「系統4・神栖済生会病院~下総橘駅」が、令和3年4月1日から本格運行となった。これまでの「系統1・平泉関下~小見川駅」「系統2・鳥栖神社~ふれあいセンター湯楽々」の2路線と合わせて、コミュニティバスの運行は4路線となった。1月1~3日以外は毎日運行で、ICカードが利用できる。
 このうち「系統4・神栖済生会病院~下総橘駅」は、神栖済生会病院発下総橘駅行が朝1便、下総橘駅発神栖済生会病院行が夕方以降に2便運航されている。変則的な運行回数で、しかも片道運行なので、試乗は困難だ。そのほかに利根川大橋を渡るバスはない。千葉県内への通学生向けなので、この本数で足りるようだ。夕方の時間帯が遅い気がすのだが、成田線に乗り換えて高校に通っているのだし、本格運行にあたって時刻変更を行なっていないので、これで十分なのであろう。
 運行時刻と下総橘駅での接続列車は次の通り(JR成田線は令和3年3月13日改正)。
▽神栖済生会病院6:55発→下総橘駅7:25着=下り7:48発銚子行、上り7:36発千葉行と接続
▽下総橘駅17:45発→神栖済生会病院1815着=下り17:37着銚子行、上り17:26着千葉行と接続
▽下総橘駅19:00発→神栖済生会病院1930着=下り18:36着銚子行、上り18:54着千葉行と接続
 茨城県神栖市のコミュニティバスなので、千葉県内の東庄町に途中停留所は設けられていない。運賃は現金が170円~200円、ICカードが168~199円と安い。潮来営業所波崎車庫が担当し、車両は「2096HS」(いすゞSKG-LR290J1)がメインに使用されているようだ。
 もともと神栖市(旧神栖町域)と東庄町は、利根川大橋を通じて県境を越えた通勤通学をはじめとした日常的な移動が多く、東庄町では水戸ナンバーの車を多く見かける。
 稲敷市でも令和2年4月1日から実証運行していた江戸崎・神崎線も、令和3年4月1日から運行区間等を変更した上で本格運行しており、鉄道駅のない交通空白地域と鉄道駅を結ぶバスは成功している。令和3年3月31日をもって、本格運行に至らず実証運行を終えた「さんむウイングライナー」と対照的だ。
DSC_0505.JPG↑神栖市コミュニティバスの神栖済生会病院行(いすゞSKG-LR290J1)
DSC_0504.JPG↑側面行先表示
DSC_0483.JPG↑ポール
DSC_0481.JPG↑本格運行を知らせる立看板
■下総橘駅
 「系統4・神栖済生会病院~下総橘駅」の終点となるJR成田線の下総橘駅は、昭和8年3月11日の笹川〜松岸間の開業に合わせて開設された。東海道本線の立花駅(兵庫県尼崎市)と混同しないためか、旧国名を冠している。開業当時の木造駅舎をきれいに使用している。貨物扱いは早い時期に廃止された。無人化後は東庄町が受託する簡易委託駅となったが、平成29年3月31日をもって委託業務を終了した。乗車券発売窓口の閉鎖とともに、ICカードのチャージ機はもとより、不法投棄防止でゴミ箱まで撤去された。隣の笹川駅も令和3年3月31日限りでJR東日本ステーションサービスの業務委託を解除し、無人駅となった。これにより、小見川~松岸間の中間駅は全て無人で、小見川、松岸の両駅とも業務委託駅となっている。
 駅舎はホームより低い場所にあるが、スロープが新設されている。行き違い駅のできる駅のホームのように、跨線橋を渡る必要がないため、バリアフリー化されている。現在も駅舎内は定期的に清掃が行われているようで、きれいに維持されているが、香取駅や下総豊里駅のように、解体されないことを願う。ホームは1本しかなく、成田〜銚子間唯一の棒線の駅となっている。
 駅前には観光向けのアーチがある。観光名所などが書かれているが、残念ながら観光客の姿は見られない。駅から向かって左側の商店は営業し、郵便局も営業しているが、コインランドリーは商店の居抜きである。正面のT字路には星之宮大神があり、なぜか入口に時計が掲げられている。
 社史「千葉交通60年のあゆみ」(昭和44年3月発行)によると、昭和43年11月現在で橘線(旭駅〜八重穂〜橘駅、17.7㎞、4往復)を運行していた。下総橘駅に乗り入れる路線は平成初頭に廃止されたが、末期の運行区間などは不明である。小さな駅の前にバスが発車待ちする光景は絵になるものだ。したがって、神栖市コミュニティバスは約30年ぶりのバス乗り入れとなる。千葉交通の路線廃止後も、ポールを撤去することなく放置したままだったためか、駅の向かい側にあるコインラインドリーが再利用している。バスのりばの前にはベンチ一体型のトイレがある。
 数年前に駅の下総豊里寄りの有休地に、鉄道利用者用の駐車場と駐輪場が整備された。かつては側線があり、農産品の出荷などの貨物扱いを行っていたのであろう。また、県道267号・下総橘停車場東城線からも出入りできるようになった。神栖市コミュニティバスも県道267号線から入る。また、東庄町が運行している町内循環バス「おでかけ号」は下総橘駅前に入らず、県道267号線沿いのJAかとり橘出張所前に下総橘駅東停留所が設けられている。JAは統合されて、現在は営業していないようだ。
 銚子~東京間の高速バス「利根ライナー」の橘停留所は、国道356号線(利根水郷ライン)の豊里寄りの利根川大橋入口交差点の先にあり、駅から徒歩約20分かかる。「おでかけ号」の新宿停留所も同じ場所にある。鉄道の乗り継ぎを想定していないので、駅から離れている。茨城県側から利根川大橋を渡って来た人の送迎を見込んでいるのか。居酒屋の看板のような行灯に「東京行 高速バス停」と書いてある。脚立がベンチがわりになっているようだ。
CSC_0499.JPG↑下総橘駅の駅舎
DSC_0493.JPG↑窓口が閉鎖された駅舎内。左のシャッター内にICカードチャージ機があった
CSC_0515.JPG↑駅舎から見た歓迎アーチ
DSC_0503.JPG↑駅正面のコインランドリーでは、千葉交通の廃ポールを再利用
DSC_0496.JPG↑町内循環バス「おでかけ号」の下総橘駅東停留所
CSC_0513.JPG↑駅から離れた高速バス「利根ライナー」の橘停留所



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント