【桜東バス】江戸崎・神崎線

 下総神崎駅は神崎町の玄関口である。神崎町は人口約6,000人の町で、同町唯一の鉄道駅である。平成初頭から成田市のベットタウンとして宅地開発が行われて人口が増加し、ピークの平成12年10月1日現在では6,747人だったが、令和3年2月1日現在は5,881人と減少している。下総神崎駅の乗車人員も、町の人口に比例して増加していたが、平成15年の1,127人をピークに減少傾向が続き、令和元年は793人となっている。
 下総神崎駅は早い時期から合理化が進められ、昭和45年6月1日に成田~佐原間自動信号化(通票閉塞廃止)、昭和45年7月15日に成田~香取間がCTC化、昭和46年4月1日に貨物営業廃止、昭和49年10月26日に成田~松岸間電化(いわゆる北総電化)、昭和56年頃に業務委託化されている。現在は成田駅管理のJR東日本ステーションサービスによる業務委託駅となっている。下り側の旧貨物用側線は、保守用車の基地となっている。列車交換がない場合は、上下線とも駅舎のある1番線に発着するが、日中は交換が行われている。平成10年10月に神崎ステーションホール併設駅舎に改築された。、アーチ形の屋根は神崎大橋をモチーフとしており、町の特産品の展示や写真展などが行なわれている。毎年12月から翌年1月にかけてイルミネーションが施されている。
 北側広場は平成11年に整備されたものの、駅前通りの県道110号・郡停車場大須賀線沿いは空き地ばかりで建物が少なく、閑散とした印象を受ける。駅周辺に人が集まる施設がないため、列車が発着する時間帯は活気があるものの、それ以外は人通りが少ない。駅前にヤマザキの商店があるのはありがたい。空き地もかつては建物があったのであろう。廃墟も見受けられる。道路名に「郡停車場」と付いているのは、開業当初の駅名は「郡」で、昭和32年4月1日に改称された。住所は神崎町郡となっている。駅名改称の石碑が建立されている。
 平成6年から神崎駅の近くに住宅生産振興財団による「ウッドパーク四季の丘」(443戸)などの宅地開発が進んだことから、平成16年に南側広場が整備された。バス乗り場のような上屋もある。
 下総神崎駅には、国鉄バス多古線の支線である神崎線と、霞ヶ浦線の支線である十余島線が乗り入れていた。神崎線は八日市場自動車営業所が担当し、昭和31年11月20日に五辻~下総神崎駅~神崎渡船場間が全通した(神崎渡船場は神崎橋に改称)。神崎渡船場~下総神崎駅~原宿~五辻~多古間を結んでいた。昭和54年4月23日に原宿~下総神崎駅間が廃止された。その後は一鍬田~原宿間が廃止され、最後に残った五辻~一鍬田間も、平成19年9月30日をもって廃止された。
 一方、十余島線は土浦自動車営業所が担当し、昭和42年5月の神崎大橋が開通後の、昭和43年11月1日に脇川~神崎大橋~下総神崎駅間の運行を開始した。運行区間は不明だが、江戸崎や常陸幸田から運行していたのであろう。昭和57年10月30日に神崎大橋~下総神崎駅間と神崎農協前~神崎橋間が廃止された。県境を超える十余島線が後まで残ったのは、旧東村の橋向地区は佐原駅や土浦駅と離れており、利根川対岸の県境を越えた下総神崎駅への流れがあったのであろう。なお、神崎大橋が開通するまで渡し舟が運航されていた。
 このほか、千葉交通も神崎線(京成成田駅~宝田小前~滑河駅~神崎駅口~佐原駅~佐原粉名口車庫)を運行していたが、駅前には乗り入れなかった。平成11年11月から滑河駅~キラ化粧品前間の廃止により、京成成田駅~滑河駅間(滑河線)と、キラ化粧品前~佐原粉名口車庫間(神崎線)に分断された。しかし、神崎線は平成14年3月31日限り、滑河線は平成17年3月31日限りでそれぞれ廃止された。
 千葉交通の撤退後、唯一の公共交通機関は神崎町循環バス「きらきら号」のみとなっていたが、令和2年4月1日から桜東バスが茨城県稲敷市の補助を受けて、江戸崎・神崎線(江戸崎~浦向~幸田車庫~発酵の里こうざき~下総神崎駅)の運行を開始した。昭和57年の国鉄バス十余島線の廃止以来、数十年ぶりに路線バスが乗り入れることになった。
 途中、神崎町内には発酵の里こうざき、神崎本宿、神崎中学校入口が設けられている。運行本数は1日5往復で、一部は幸田車庫~下総神崎駅間の区間運行となっている。時期は不明だが、幸田車庫は常陸幸田から改称された。JR東海道本線に幸田駅があり、混同しないように旧国名を冠していたと思われる。個人的には国鉄バス当時の旧国名を冠した方が好みだった。
 稲敷市では存続の目安として、「1便当たり2.4人以上の利用があること」「運賃収入で経費の30%をまかなうこと」を掲げており、存続の目安を下回る場合には、再編や廃止を検討することにしている。コロナ禍ということもあり、なかなかハードルが高いと思う。
 「きらきら号」は「中央ルート」「北ルート」「南ルート」の3コースあり、いずれも3本(合計9本)で運行回数も多い。年末年始を除いて土休日も運行され、運賃は無料である。緑ナンバーのトヨタハイエースを使用しており、タクシー会社に委託しているようだ。
DSC_3055.JPG↑下総神崎駅
DSC_3049.JPG↑駅名改称の記念碑
DSC_3047.JPG↑跨線橋から見た北側広場。人通りは少ない
DSC_3048.JPG↑南側広場も閑散としている
DSC_3028.JPG↑桜東バスの幸田車庫行
CSC_3059.JPG↑桜東バスのポール
DSC_3052.JPG↑神崎町循環バス「きらきら号」のポール

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