【西武バス】都民農園セコニック

 西武バスで人気のある行先表示といえば、吉祥寺線の「都民農園セコニック」であろう。吉61(吉祥寺駅~武蔵関駅入口~大泉学園駅南口~都民農園セコニック、9.85㎞)、出入庫系統の泉35-6(西武車庫前~大泉学園駅南口~都民農園セコニック、4.7㎞)の2系統だが、最近は早朝(5~6時台)と夜間(19時台以降)、深夜バス(大泉学園駅北口→都民農園セコニック)しかみられない行先だ。
 ところが、令和元年12月31日から令和2年1月3日にかけての年末年始特別ダイヤでは、午前中にも吉61と泉35-6の両系統が運行された。大半は西武車庫前→泉35-6→都民農園セコニック→吉61→吉祥寺駅→吉61-1→新座栄…のダイヤが多かった。年末年始は都民農園セコニック行は泉35-6が6本、吉61が5本(うち2本は夜間)、折返しの都民農園セコニック発は吉61が9本、泉35-6が4本(夜間)設定された。朝方に設定された都民農園セコニック行は、泉35-6が西武車庫前発6:03、6:35、7:37、7:57、8:36、9:13、吉61が吉祥寺駅発6:30、6:50、8:00だった。
 吉祥寺線は平成元年9月1日に吉61-1(吉祥寺駅~武蔵関駅入口~大泉学園駅南口~都民農園セコニック~新座栄)が新設されると、都民農園セコニック以遠の利用者が増加し、ダイヤ改正ごとに吉61-1にシフトしていった。新座栄の折返し場は多くの車両が止めることができる。
 都民農園セコニックの折返し場は狭く、大泉学園通りを右折で出るため誘導員が常駐していた。大泉学園通りは交通量が多く、右折の危険性が高いこともある。大泉学園駅北口の再開発工事が完了した平成27年3月20日のダイヤ改正で、早朝と夜間以外の都民農園セコニック折返しがなくなったことから、誘導員は廃止された。日中も回送車が時間調整を兼ねて使用している。大宮営業所管内の大久保団地折返し場と同様だ。バス3台分の待機スペースがあり、以前は中休ダイヤも設けられていた。このスペースでよく捌けたと思うが、1時間ぐらいの中休は1回ぐらいで、西武車庫前行となって上石神井営業所で食入や、西武車庫前停留所で乗務員交替を済ませていたのであろう。数年前に改築された乗務員休憩室が建っている。道路側にボックス型の誘導員詰所があった。ストリートビューでみると、平成27年4月まで残っているので、それ以降に撤去された。都民農園セコニック止まりのバスは、折返し場内で降車となる。
 明るい時間帯(午前9時台まで)に都民農園セコニック系統が運行され、折返し場に止まる光景が見られたのは貴重だった。
CSC_1612.JPG↑折返し場に到着
DSC_1609.JPG↑折返し場全景
DSC_1619.JPG↑明るい時間帯に見ることができた「都民農園セコニック」の行先表示
CSC_1604.JPG↑側面の行先表示(大泉学園駅南口)
都民農園セコニックの由来
 さて、都民農園セコニックとは、「都民農園」と「セコニック」を合わせた停留所名だ。「都民農園」は、練馬区公式ホームページによると、昭和9年に東京市農会が開園した総面積約1.8ヘクタールの農園のことで、下町からくる東京市民で賑わったという。昭和13年の写真には、「市民農園」と書かれた看板が写っている。戦後の農地解放で閉鎖されたようだ。一部のサイトに「計画で終わった」「実現しなかった」などと誤った記述が見受けられるが、2つ点前の都民農園停留所付近の一体は、大泉学園通りを挟んだ両側が碁盤の目のように区画されており、そこがまさに都民農園跡地なのである。戦前の地図を見れば一目瞭然だ。
 「セコニック」は精密機器メーカーで、本社と東京工場が置かれていたが、平成15年に東京工場は閉鎖され、跡地はセコニックビルとして、いなげやなどが入る複合商業施設「大泉学園ショッピングセンター」となった。また、東半分は「日本出版販売ねりま流通センター」となっている。本社はセコニックビル2階に入っていたが、現在は組織変更によって本社機能は世田谷区池尻に移転し、大泉事業所となっている。所在地は東京練馬区大泉学園町と名乗り、郵便番号も電話番号も練馬区となっているが、厳密には埼玉県新座市栄となる(いなげやの住所は新座市)。バス折返し場も新座市だ。
DSC_1616.JPG↑大泉学園ショッピングセンターの2階に「SEKONIC」のロゴ
DSC_1617.JPG↑停留所に由来する「セコニック」玄関
吉祥寺線の主力~中扉4枚折戸車
 吉祥寺線は、中扉4枚折戸のワンステップバスが主に使用されている。大泉学園駅南口(西武池袋線の踏切があった頃は、南口広場がなかった)の降車時間を短縮するため、日産ディーゼルKC-UA460HSN(富士7E)などの3扉車が多く使用されてきた。その後はいすゞPJ-LV234Lなどの中扉4枚折戸仕様を選択してきたが、平成21年に本格的なラッシュ仕様として、日産ディーゼルPKG-AP35FMが配置された。車内は特注で、前中扉間にシートのないフリースペース、非公式側の中ほどの一部は跳ね上げ式の横向きシートとなっている。定員は客席24人+立席50人+乗務員1の合計75人としているが、「満員通過」の状態で横向きシートを跳ね上げて立席スペースとし、奥まで詰めて前扉ステップの近くまで立てば、90人近く乗車できると思う(かなりぎゅうぎゅうできつい)。以後、三菱LKG-MP35FM、三菱QKG-MP35FMが導入されてきたが、ノンステップバスが主流となってきたことから、平成28年をもって導入が終了した。
 現在はメーカーオプション設定の幅広中引戸のいすゞ2PG-LV290N2が導入されている。しかし、吉祥寺駅や大泉学園駅南口での中扉折戸の威力にはかなわない。
 吉61-1以外にも、泉32(大泉学園駅北口~都民農園セコニック~緑ケ丘~朝霞駅南口)などが並走し、さらに途中の都民農園までは泉33(大泉学園駅北口~長久保~成増駅南口)など多くの路線があり、大泉学園通りはバスが連なっている状態のため、これ以上の増発は困難となっている。
DSC_1622.JPG↑「上石神井仕様」といえる日産ディーゼルPKG-AP35FM(新座栄)
CSC_0303_20120708_6666.JPG↑吉祥寺線の人気車両といえば、1型式1台のみの日産ディーゼルKLーUA452KSN(富士7E)だった(平成24年7月8日、飯能営業所の感謝祭で)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

この記事へのコメント

西武バスが通るそばの通りかがり
2020年04月28日 17:33
3段落目文頭は、
吉61-1(吉祥寺駅~武蔵関駅入口~大泉学園駅南口~都民農園セコニック~新座栄)
の誤記でしょうか。
吉61-2 は(大泉学園駅~新座栄)が昔使っていましたね。

セコニックの折り返し場が誘導員無配置になっていた事も知りませんでした。
大昔は自衛隊側、現在の新座総合技術高校がある辺りにあったそうで、草の空き地のようになっており、そこら辺で適当に折り返す感じだったそうです。国の用地を借りていたのだと思いますが、のんびりした時代だったのですね。

A0-714号車は、上石神井営業所では一番初めにLED表示になった車両でしたので、幕時代の形式写真は撮り損ねました。必然的に先に無くなる古い車両から撮影していましたので。お写真を拝見し、感謝祭に行けばよかったと思いました。当時埼玉スタジアムでワールドカップが行われ、その応援にはLED表示にした車両を使うとお話されていたのを思い出しました。
板橋バス太郎
2020年04月28日 20:25
>西武バスが通るそばの通りかがりさん
ご指摘ありがとうございました。早速修正させていただきました。