【日東交通】佐貫町駅

 佐貫町駅は業務委託駅となっている。大貫駅の管理だったが、大貫駅も業務委託駅となったため、現在は君津駅管理となっている。平成29年3月6日で「みどりの窓口」が営業終了し、駅員のいる時間は9:20~16:30と短い。待合室内の自動券売機のところが手小荷物窓口だったようだ。自動券売機が導入される前は、駅舎の正面に出札窓口が2カ所あった。現在はポスターの掲示板となっている。外の自動販売機の置かれているところに売店もあった。また、現在は使用していない清算窓口も2カ所あった。
 貨物ホーム跡地は国鉄清算事業団から民間に売却されて有料駐車場(貸主がJRの関連会社でない民間企業)となったほか、保線材料線となり、マルタイやダンプトロなどの保守用車が留置されている。
 特急「さざなみ号」の一部が停車したほか、普通列車も佐貫町折返しが設定されていた。「さざなみ号」は減便が進み、平成30年3月17日のダイヤ改正で、君津~館山間が廃止された。また、土休日運行の臨時「新宿さざなみ」は佐貫町通過となり、普通列車のみしか停車しなくなった。特急が到着すると、行楽客がマザー牧場行に乗り込む光景も過去のものとなった。一方、平成27年3月14日改正から平日に運転していた東京~館山間の特別快速も長く続かず、29年3月4日の改正で廃止された。これにより、マザー牧場の玄関駅としての使命を終えてしまったも同然だ。
画像←佐貫町駅と鹿野山線

画像←待合室には昔の写真が掲出

画像←街合室にバス案内があるのは喜ばしい

 さて、佐貫町駅からは鹿野山線(佐貫町駅~牛房谷~マザー牧場~神野寺)と湊富津・笹毛線(上総湊駅~笹毛~佐貫町駅~大貫駅前~富津公園、15.8㎞)の2路線が発着する。乗り場は、駅舎側が鹿野山線、道路側が湊富津・笹毛線となっている。湊富津・笹毛線乗り場の脇に、小さな乗務員詰所がある。鹿野山線のポールは平型タイプだったが、破損したのか廃品を転用した白百合型の旧ポールに逆戻りしている。一方、湊富津・笹毛線のポールはダルマ型で、扉の反対側に設置されている。折返し便だと見にくいが、長時間止まっているので乗り場で待っている人はいないし、途中経由地となる便はポールの近くに止めるのでちょうどいいのだろう。
 富津湊・笹毛線も運行回数は少なく、ほとんどが富津公園~佐貫町駅間の運行で、佐貫町駅~笹毛~上総湊駅間はごく僅かだ。半数が土休日運行となっている。
 駅前には天羽合同タクシーの乗り場がある。保有台数は僅か2台で、黒のトヨタクラウンと、白の日産セドリックを保有している。上総湊駅にも乗り入れるようになった。駅前のパチンコ屋とドライブインのような廃墟が痛々しい。
画像←鹿野山線のポールは発生品を再利用

画像←湊富津・笹毛線と小さな乗務員詰所

画像←バスの後ろに湊富津・笹毛線のポールが

画像←天羽合同タクシーの乗務員休憩室と日産セドリック

鹿野山線の凋落
 鹿野山線は沿線人口が少ないことから、昭和62年10月1日に牛房谷~神野寺間は自由乗降区間となっている。富津営業所の担当だったが、平成14年4月1日から天羽日東バスに移管された。
 マザー牧場~神野寺間の春日山停留所の旧停留所名は鹿野山センターだったが、「国民宿舎鹿野山センター」の閉鎖(解体され更地)に伴い改称された。マザー牧場の次停留所にある「サンライフ鹿野山」も、平成17年1月に破産している。東京湾アクアラインが開通したら、逆に日帰り圏となり、宿泊客が減少してしまったのであろう。房総半島は観光地が点在しており、あちこちに寄るのであれば車の方が便利だ。
 沿線にマザー牧場があることから、マザー牧場へのアクセス路線として活躍していた。春休みやゴールデンウィークなどの行楽シーズンは、定期便のほかに特急との接続便は臨時便も出して捌いていた。天羽日東バスのほか、日東交通本体や館山日東バスからも応援に来た。不採算路線ばかりの天羽日東バス唯一の稼ぎ頭だった。
 しかし、館山自動車道の開通でマイカー利用が増えたうえ、平成28年11月1日から君津駅南口~マザー牧場間の直通バスの運行(以前も予約制の送迎バスも、休日に1往復運行されていた)が運行を開始した。内房線は前述した通り、特急「さざなみ号」は君津以南が廃止されたうえ、普通列車は日中、君津で乗り換えを強いられて不便となっていた。快速の終点であることと、高速バスも発着していることから、君津駅を玄関口としたのであろう。同時に木更津駅東口~マザー牧場間の直通バスも廃止された。
 鹿野山線のマザー牧場利用者の減少は、補助制度にも影響を受けた。平成29年度千葉県バス対策地域協議会君津分科会(平成30年8月21日開催)では「平成30年10月1日以降については、『1日あたり輸送量15人以上』という補助要件を満たさない見込みのため国及び県の補助対象から外れるものの、生活路線として不可欠であることから、一部運行区間の短縮及び平日1便、土休日3便を減便し、関係市(君津市、富津市)の補助を受けて運行を維持する」ことに決定し、協議を終了した。神野寺周辺の人口も減少しているようだ。
 平成30年10月1日の改正で、朝と夕方以降は山麓止まりとなった。また、土休日に運行されていた佐貫町駅~マザー牧場間の区間便も廃止されている。以前は2運用あったが、現在は1運用となっている。神野寺にバスで参拝すると、折返し便だと時間が短過ぎ、次のバスだと時間を持て余してしまう。なお、1月1~3日は全便春日山折返しとなる。
画像←鹿野山行の定期便に加え、マザー牧場行の続行便が複数待機。日東交通や館山日東バスからも応援に来ていた(平成20年5月5日撮影)

画像←マザー牧場へのアクセスは君津駅南口発の直通バスにシフト(いすゞSKGーLR290J1)

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